「人間それ自体に創造する能力はない。唯一の天才的な芸術家、それは自然である。」───Constantin Stanislavski
偉大な芸術家たちはこのことを知っていました。過去の多くの芸術家たち、彫刻家、音楽家、詩人、画家etc.が、偉大な『神、宇宙、自然』という存在の道具になることを愛し、そしてそれに感謝していました。これは彼らが残した言葉を見れば明らかです。彼らは彼らの芸術、彼らの創造的な仕事のために、インスピレーション、あるいは神の啓示を必要とし、欲していたのです。
「人間それ自体に創造する能力はない。唯一の天才的な芸術家、それは自然である。」これは、人間の知性、理性、つまり『顕在意識』レベルの状態では創造的な活動は不可能であり、異なる意識状態になる必要がある、ということを意味しています。その異なる意識状態、それが『潜在意識』と『超意識』と呼ばれるレベルです。
創造的な活動のプロセスは『潜在意識』の領域でしか始まることができません。そのためにまず意識的な心理技術、メソードと呼ばれるものを駆使して『潜在意識』のレベルになる必要があります。そして『潜在意識』の領域で創造的なプロセスが始まると、『超意識』的なレベルに繋がります。そこで初めて、自然という芸術家の道具となり、インスピレーションを得るような状態、非常に高尚な創造活動に携わることができるようになるのです。
意識→潜在意識→超意識
個人的な意思によってコントロールされたものから、意思の支配下にないものへ。意識的な心理技術からインスピレーションへ。これがペレジヴァーニエ・アートの最も重要な原理の一つです。
そして顕在意識から潜在意識、潜在意識から超意識にそれぞれ入るために、つまり創造のプロセスを始めるためには、『道、扉、鍵』が必要です。この『道、扉、鍵』になるもの、それこそが『スタニスラフスキー・システム』であり『有機的な自然の法則』なのです。いくつか例を挙げると
・ 因果法則
・ エネルギー交換の法則
・ 時空的連続体の法則
・ 共鳴の法則
・ 二極性の法則
などがあります。スタニスラフスキーやそれに続く弟子たちが探求、模索してきたこれらの法則は、木や花が育つために必要な法則でもあり、人と人とが共に生きていくために必要な法則でもあり、宇宙空間が成り立つ上で必要な法則でもあります。
今、この地球上ではこの『有機的な自然の法則』が人間(本来は有機的な自然そのものであるはず)の知性、理性、自我(エゴ)によって侵されています。明らかに心が失われつつあります。明らかに有機的な自然の力が弱まっています。毎日のニュースを見れば分かります。だからこそ、この世界、私たちの地球、そして『有機的な自然の法則』を守るためにも、今、高尚な創造活動、本物の演劇芸術が必要なのです。なぜなら『スタニスラフスキー・システム=有機的な自然の法則』は、人間の意識を高める法則でもあるからです。
禅のマスターである鈴木大拙は言っています、「絵画、音楽、彫刻、詩など、芸術の最も偉大な作品には、必ず神の作品に近い性質がある。」私たちPhantom Line Theatreは、過去に生きた偉大な芸術家たちが残してくれた偉大な芸術作品が世界中にあるからこそ、この地球や人類が破滅から守られていると信じています。そしてそれらの芸術作品を未来の人々に正しく伝え、残していくこと、それが使命であると考えています。
人々が集う劇場空間が自然の一空間のような清浄な場所に、教会のような神聖な場所になることを祈って。